バンドマンの女という概念

バンドマンの嫁に進化しました。幸せです、残念ながら。

東京事変が復活したので個人的ベスト10を語らせてくれ

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復活、本当に本当におめでとうございます。もしかしたら2020年の閏日ぐらいに来るんじゃないかと思っていたのですがまさか年越した瞬間に一報が来るとは思いもせなんだ…

余談ですがついに林檎班に加入してしまいました、ツアーチケットが取れるのであれば全国どこでも厭わないです。札幌であろうと飛んでいきますとも。

あの5人でのアー写が見れただけでも拝むしかないのですが、個人的には刄田綴色を再び表舞台に引っ張り出してくれてありがとうという気持ちがでかい。あんなに腕の立つドラマーがサポートがあるとはいえ表舞台からすっかり姿を消してしまって、島根に帰って釣りをしているのを見ているととても心が痛む次第でありました。

メンバーの中でも華やかな世界に馴染みにくい人なんだろうなあとは思っていて、田舎の暮らしが彼の性に合っているんだろうとも思っていて、何が彼にとっての幸せなのかというのはわからないんだけれど。

それでも私は彼がドラムを叩く姿をもっと表舞台で見たかったんだ…本当に復活ありがとう…

 

という訳で、復活の今こそ皆さんに聞いて欲しい東京事変の個人的名曲ベスト10をご紹介します。かなり悩んだ…ベスト10予備軍曲もいっぱいあったから…なんとか10曲に絞ったんだから…

東京事変あんまり知らない人や群青日和しかカラオケで歌わない方は以下の曲をぜひ聞いてください、東京事変フリークの皆様は酒の肴にでもして下さい。

 

 

1.落日

この曲は東京事変の唯一無二の至宝。最高という言葉すら烏滸がましい。拝むしかない。なぜMVを作らないのかオフィシャル。今からでも遅くないよ!!!

イントロのピアノからキラーフレーズ。心臓の奥を掴まれるような切なさでもう涙が出る…シングルのB面曲ながら東京事変フリークの根強い人気を誇り続けている理由がこの曲にはあるのです。合掌。

修羅場のB面ということはわっちと浮雲加入後すぐのシングルですね。改めてwiki見たらだいぶ紆余曲折あってこのサウンドになった楽曲のようです。ライブ映像とかだと大人辺りの東京事変が良い意味でとても生々しいバンドになっている時期の様相を呈していて趣の深みがすごみ。万が一億が一ライブで聴けたら間違いなく涙腺崩壊&呼吸困難やむなし。

 

2.空が鳴っている

東京事変の名曲は正直落日とこの2曲が個人的には不動です。歳を重ねて東京事変を聴くとどうやら翳りのあるサウンドに指向がだいぶ傾いてしまうようですね。リリース当時から楽曲としてもめちゃくちゃ好きで、余談ですが当時この曲のシングル購入特典で大発見ツアーの徳島公演を私はなんとかぶち当てたのでした。そういえばとしちゃんが謹慎くらったのもこの頃でしたね。

この曲の最後の歌詞の「あきらめさせて」の一言はまさしくキラーフレーズという言葉に相応しい一説だと思っていて。諦めるという動作は本来であれば自主的なもののはずが、それを外部的に託している部分にものすごく念が篭っているように感じるのです。本当なら諦めたくないものを諦めなければならないけれど、自分の力では諦めることができない。夢なのか希望なのか誰かへの想いなのか、他者に無理やり引き剥がしてもらわなければいけないくらいもうどうしようもないところまできているんだろうな。諦めたくないことを諦めなければならない自分への無力さや、それを自ら諦めることすらにできない自身への非力さに対する絶望感まで伝わってくるような、そんな一言なのではないでしょうか。

…とたまには真面目に論じてみたんですけどライブ映像の浮雲さんの髪形が気になってしょうがない、どうなってんのこれ。

そういえばウォーターリングキスミントってだいぶ前に販売終了しちゃったんですね、あのガム好きだったのになあ。

 

3.御祭騒ぎ


私の音楽の好みをご存知の方はわかると思うんですけど、基本的に和のテイストが入った楽曲がかなりストライクなんですわ。というわけで例に漏れずこの曲をチョイスさせてもらっています。夏祭りの湿気を帯びた華やかで色とりどりな情景が浮かんできますね。

東京事変のアルバム単位で見ると個人的には教育が一番印象的な音源かも。ベスト10には入れてないもののクロール、林檎の唄とか好みの楽曲が多いのもありますが。

音源のアレンジが一番好きですがMANGARAMAでも演奏してるんだと思ってこちらのライブ映像をチョイスしております。MANGARAMAの百鬼夜行感がとても好きです。神様、仏様のMVのエンディングとか最高じゃない?

 

4.母国情緒

東京事変の楽曲の中で一番かわいい曲を聞かれたら迷いなくこれを挙げます。かわいい音楽、っていう概念も聞かれることなんてなかなかないと思うんですけど。この曲はピアノソロの猫ふんじゃったのフレーズ引用がとても秀逸ですよねえ、これだけでコロコロした子猫がよちよち歩いてる情景しか浮かばなくなりました。ドラムのフレーズまで子猫の足音に聞こえてきます。はあ可愛い。

 

5.夢のあと


自分の曲の好みにさっきちょっとだけ触れたんですけどもう1つ曲の好みの軸があって、眠りの狭間を歌っているような曲も好きなんですよね。誰にも愛されない時期が長かった私の、誰かに愛される幸せの象徴が『2人の穏やかな眠りの時間』だったんだなと今になって思います。

という流れからこの曲の冒頭のフレーズがとても印象的で、長年私にとっての誰かといる幸せの時間の象徴だったので選ばせてもらいました。余談ですが同じ理由でGO!GO!7188の中で一番好きな曲はこいのうたでもC7でも浮舟でもなく眠りの浅瀬です。

演奏後にとしちゃんがドラムヘッド投げてて笑った。フリスビーか。

 

6.喧嘩上等

この曲をカラオケで歌うと冒頭の口上をセルフで言わなきゃいけないんですよね、そこだけなんとかしてほしいなっていつも思ってます。

林檎嬢のシャウトやノイズの混じった歌い方が好きな方はきっとみんなこの曲は大好きのはず。シンプルに格好いいですよねえ。 

それと、ここまでの記事で皆さんお察しの通り私は同じドラマーというのもあって圧倒的としちゃん推しなので、ぜひMVのとしちゃんの神楽を皆さんに見て頂きたい。幼い頃から石見神楽を踊っているので腕は確かです。ウルトラCツアーの島根凱旋公演で石見神楽を踊った彼の映像はツアーDVDの特典映像で見られますのでお見知りおきを。

ちなみにこのツアーDVDの特典映像はメンバー全員の凱旋公演でそれぞれ行われたスペシャル演目が見られるんですけど、まだ見てない方はぜひ師匠の歌う閃光少女を見て下さい。師匠には失礼ですが爆笑してしまいます。

 

7.電波通信

事変の曲の中でも指折りの鋭くてスタイリッシュな曲だと個人的には思っております。バンド映えする曲というか、リズム隊が映える曲も好みなんですよねェ~。楽曲のテンポがそこそこ速い中で演奏陣のテクニックがキレッキレなのに相反するような淡々とした林檎嬢のAメロボーカルの相対性が素晴らしい楽曲。メロディやフレーズは淡々としているものの、ちゃんと歌おうとするともちろんボーカルも相当技術いるんですけどね。

そんな曲なので、事変のライブって解散前の時期は演出がかなり華やかになってた印象なんですけどこの曲はそんな派手な演出なぞ要らぬ、っていう硬派な感じも素晴らしいです。ほぼ単色しかも白の照明の点滅フラッシュのみというこの演出、その意気や良し。

 

8.修羅場


 東京事変の楽曲の中で一番最高なMVは何かと問われれば間違いなくこの映像を挙げる。メンバーが演奏している姿を映したMVなんで腐るほどある中で単色をモチーフにするだけでここまで差別化ができるもんかと。映像作品としても滅茶苦茶革新的なものなのでこのMVなんかの賞を受賞してた気がするんだけど調べても出てこない…なんだったっけな…私の勘違いか?

モノクロや白をベースにすると人物のモーションやそれ以外の色がとてもよく映えるということで、最近だとKing Gnuの白日のMVがまさしくその手法で評価されてると思うんですけど私の記憶が正しければこの系統の手法のMVとして一番メジャーなのがこの修羅場なんじゃないかな。真っ白な景色の中での紅色の映えること。椎名林檎の本能のMVがセンセーショナルで売れたとか言われてますがこの曲のMVの方がよっぽどセンセーショナルだと思うんですけど。大奥という内容が内容なものですけど一応ドラマ主題歌だぞ?最後30秒くらいは15禁なんじゃないかと思う。けど別に鮮血色ではあれど人体から血が出てるわけでもなしグロテスクな物体があるわけでもなし、それなのになんであんなに白色の世界観に鮮やかな紅色が差し色になるだけでぞっとするんでしょうね。。

 

9.能動的3分間

当時MVでメンバーがムーンウォークしてるのが話題になってたりしましたけど、そんな所より私は林檎嬢がわっちに花束を叩きつけるシーンやとしちゃんの髪にものすごくそっと触れるシーンの方が性癖に刺さります。

そんなMVも素敵なんですがこの曲のライブ版を初めて見た時の衝撃がもう本当にすごくて、敢えてライブ版の映像を貼らせてもらいます。あれは徳島のライブを見に行ったときだったか…。

この曲がぴったり3分間で制作されているのはみなさん周知の事実ですよね、ライブで演奏される時はそれにちなんでほぼ必ず3分間のストップウォッチが演出としてバックに掲げられるんです。ライブでカウントダウンと同時に曲が進行していくのをハラハラしながら見てたんですが、3分間きっかりで曲が見事に終わったことにとてつもない衝撃と感動を覚えたのを未だに鮮明に思い出すことができます。後々普通に考えてみればメンバーはきっとイヤモニでクリック聴いてたでしょうからぴったりに終わらすことなんて訳ないと思うんですけど、音楽を何も知らない人が見たら神業にしか見えないんだろうなあ。

音楽をあまり知らない方向けにもう一個豆知識を話しておくと、この曲が3分間ぴったりということで自ずと楽曲のBPMが120だと計算することができるのです。種明かしをすると、よく言われるBPM・楽曲のテンポというのは1分間に何回拍が取れるかということを表しておりますのでBPM60が秒針の進む速さとぴったり同じというわけ。3分間のみならず分単位きっかりで、林檎嬢のよく用いる手法である頭もケツも余白なしで曲を終わらすにはこの60の等倍のBPMでないと不可能で、楽曲の雰囲気から鑑みてBPM120でQED、という理屈っぽいお話でした。

 

10.三十二歳の別れ

この曲だけYouTubeから動画が見つけられなんだ!まあまあニッチな曲なので当然と言や当然か…。
東京事変が解散したての頃なら絶対ベスト10に入ってない曲なんですけど、一度彼らが解散して8年もの歳月が経った今だから沁みる曲というか。当時学生心に東京事変椎名林檎に憧れていて、彼らの音楽が思春期の形成に影響を及ぼしている人が当時32歳の林檎嬢と同じ位の歳の大人になった今、自分を顧みた時にものすごく響く曲だと思っています。

学生の頃には学生の頃にしかないものがあって、30歳も近くなった今には今にしかないものがあって、どれだけ不安になろうと心配になろうと背伸びをしようと歳を重ねないと気付かない想いや理解できない心情がたくさんあると知って。この曲は大人の儚い諦めと絶望が息づいて成熟したような曲なのかなあと思ってます。特に一番のサビの歌詞が好きで、『情けなくなる』『時代が軋む音』っていう表現に林檎嬢の使う日本語の美しさや的確さが際立ってるなと。語感の美しさは頭に挙げた落日に近い物を感じるよね。彼女が当時あまり表立っていない楽曲だけで使う美しいけれど本人曰くちょっと露骨な日本語の使い方が刺さる人が、所謂椎名林檎フリークや東京事変信者になってたりするんじゃないのかなあ。

 

 

というわけでそんな一東京事変愛好家がお送りした東京事変曲ベスト10でした。

ていうかこれを!書き上げるのに!3日もかかったんだが!!!!気づけばそれだけ熱のある記事になってしまったということで。ていうか更新するブログがいちいち重いんじゃよ私…

止む無くベスト10入りを逃した楽曲は上にもいくつか挙げてますが、他にもハンサム過ぎて、タイムカプセル、今夜はから騒ぎ、金魚の箱、電気のない都市、手紙、女の子はだれでも、21世紀宇宙の子、勝ち戦などなど…候補挙げてりゃキリがないな、駄目だこりゃ。

復活の報で久しぶりにじっくり事変聴いたらやっぱ最高だよなとなりましたとさ。さーてツアー先行応募するぞー。