バンドマンの女という概念

バンドマンの嫁に進化しました。幸せです、残念ながら。

バンドマンの女の矜恃

一応世間的には諸々興味深いであろう『バンドマンの女』という生き物を積極的に名乗っている分際ですので、そのスタンス、思考、みたいな物をちょっと話したい、というのが本日のテーマ。

 

 

初っ端から私が最も主張したい話なんですけど、根底にあるスタンスとして『"私が一緒にいて欲しいから金を出している』という点で一貫している、という話。

"私が"一緒にいて欲しいだけので相方が生活費一切出さなくても気にしないし、"私が"一緒に美味しい物食べたいからお金ないなら出すし、"私が"お金で悩む相方を見たくないので、お金を出す事で解決するなら出す、という感じ。

 

私は私の心の安寧を金で解決しているだけなので個人的にはノープロブレムだと思っている。

向こうを幸せにしたいからではない、私が幸せになりたいからです。ここ大事。

自分の人生において私を幸せに出来る人間は私しかいないと思っている。人に幸せにしてもらうつもりはないし、不幸せにされるつもりもない。

 

全て"私の為に"一緒に居てもらっている、という感覚。どれだけ一緒に居ても、俺も一緒に居たいから居る、と言われていても、完全に拭いさる事は出来ないと思う。

当たり前のように私の家に帰ってくる相方に、おかえり、では違和感のある日が必ずある。来てくれてありがとう、なのだ。どうしたってこれが一番しっくり来る。

籍でも入れりゃ変わるのだろうか。

 

 

これ物凄く根深い所で、私の自己肯定感の低さが根源だと思っている。

典型的な自己肯定感のないタイプで、追われる恋愛が本当に出来ない。自分を好きになる人間は驚くくらい好きになれなかった。自覚した事はないが、よく言われるヤツで『私の事を好きだなんてこの人は趣味が悪い』と本能的に察知しているのだろう。学生時代、自分が追いかけた人が尽く手に入らない事で、私はどんどん自身への肯定感の喪失に拍車を掛けた。

 

 

今の相方と一緒に居始めた時は本当にそれが顕著だったと思う。私はそもそも4、5回程ふられている。それでも、私が君の事を好きじゃなくてもいい、私が一緒に居たいだけだから。面と向かって本人にも常々言っていた。

『断れない自分は悪くない、それでもいいと彼女は望んだから。』

自発的にこんな発言をしようもんなら世間の女性には張り倒されるだろうが、私は敢えてその考え方を相方に刷り込んだ。男女の色恋を何も知らなかった彼を守る為に。

当時相方には別に好意を寄せる人がいた。しかし私と同じように彼も相手には受け入れられなかった。私自身も、そんな相方の弱味につけ込んだ身なのだ。

彼を卑怯者、と傷付ける事は簡単だった。でも、誰より卑怯なのは自分な上に、傷付ければ彼は私の元を去る。自身の手に何も残らない現実には立ち向かえなかった。

 

こんな思想をした筋金入りの所謂『だめんずうぉ~か~』或いは一歩違えば『メンヘラ』なもんで、ろくでもない男に引っかかっていたら多分20代の人生そのものが犠牲になった。
すでに一度ろくでもない男に引っかかり、貴重な大学時代を犠牲にした過去があるというのに。我ながら懲りないもんである。

ほんでもってこんな考え方をすると言うのが典型的な自己肯定感の低さを露呈している証拠でもある。ような気がする。

という訳で結論としましては、自己肯定感低い低いオバケの皆さんはバンドマンの女に向いていると思います。一緒に"居てもらっている"という自覚を常に持ち慎ましく生きていきましょう。

 

 

然してなんだかんだ現在を安寧に過ごしているのは、相方の性質のお陰がだいぶ大きい。

幸か不幸か、向こうもこれまで女性経験の全くない男だったもので、女の騙し方を知らなかった。初めてセックスする相手は一生を添い遂げる相手、と考えていたらしい。当時の相方はそんな時代錯誤の節操観念を持ち合わせている文学青年であった。もちろん童貞。

僅か20年程の年月で醸成された節操観念を本当に80年の人生で成し遂げようとしているので、なんかもう逆に申し訳ないと思っている。本人的には満足なのかもしれないけど...最初の方はそれは流石にねえべ、と思い、私側としてはいつか放流する心づもりでは居た。それまでいい男に育ててみるか...ほんでゆくゆくは『奴はワシが育てた』みたいに遠くから見守るか...という感じ。

ぶっちゃけ本当に学生時代は結婚願望が1ミリもなく他人と暮らすのは絶対に無理だと思っていたので、何がどうなって私の心境が変化して現在の状況に至っているのか私自身もまじで分かりません。

 

 

童貞を食って我が物にした事により周囲には私が彼を拾ったおねえさんだと言われる事が多いけれど、真意は得てして逆なのだと思う。さとり系男子がだめんずうぉ~か~を煩悩から拾い上げたと言うべきか。おかげでちゃんとゆくゆくは生活費折半する話とかも出来ています。

私自身はその説を信じてやまないのだけれど、多分向こうは向こうで自分を拾ってくれたと思っているのだろう。多分相方自身も自己肯定感低い低いオバケだと思うので。

 

 

自己肯定感低い低いオバケの皆さんは得てして幸せを遠ざけるかの如くバンドマンの女になるのかと思いますが、

それでもやっぱり人並みに幸せになりたいのであれば世の中をあまり知らない童貞のバンドマンの女になるのがいいと思います。ちゃんと結婚まで考えてくれます。たぶん。

教訓として言えるのはそれぐらいです。

そんな話でした。